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楽農楽写Z

西中国山地の風景だけを撮影する団塊男が定年後、広島県安芸太田町に休耕田付きの民家を借りて、田舎暮らしを楽しんでいます。豊かな自然を紹介しながら、地域の情報を発信します。       

大台割れ

 安芸太田町の人口が5月末で6,996人になった。8,000人を割ったのが2008年12月だから5年半で1,000人減ったことになる。5年ごとの国勢調査で最も多かったのは1955年の23,312人だったので、60年間で3分の1以下に縮んだ。最近の年間減少数は母数が減ってもそれほど変わっていないから、オリンピックで東京が沸き返っている2020年には、6,000人を切っている可能性がある。所によっては集落が無人になっているかも知れない。

 12年ほどで国の人口が、8,000万人から6,000万人に減ると置き換えれば、絶望的な数字であることが分かる。日本創成会議が発表した「消滅自治体896市町村」を、東京の人はどう受け止めたのだろうか。中央からの報道は一過性で数字の垂れ流し、「地方は消えて、可愛そう。東京に住んでいてよかった」と言っているように感じた。半面、田舎が衰弱して都会が窮地に追い込まれることがあるのだろうか、と自問するが、すぐには思い浮かばない。
  
 地域の衰退はジワリジワリと風景に現れる。耕作放棄地には草や木が生い茂り、畑は山に飲み込まれていく。人が住まなくなった家は生気を失って一気に傷む。商店街も白けて見えるようになる。写真撮影で山奥や集落へ踏み込むと、思わぬ所で石垣に出会うことがある。人が住まなくなったのは明治なのか、戦前なのか、戦後なのか分からない。工業化やエネルギー革命によって、都市が田舎を吸い上げた結果で、石垣は遺跡のように残っている。


8115ひとこと 
河川改修の際、耕運機が通る橋は作られたが、もう使われることはないのだろう。放置すれば田んぼであったことも分からなくなり、薮の中へ石垣が残る

8091ひとこと 
集落の奥まった所にあった石垣。田んぼではなく屋敷跡だった。その前の土地は傾斜があったから畑だったのだろう

 田舎育ちの50歳代から団塊世代までは、DNAへ刷り込まれた古里への想いがある。が、都会暮らししか知らない彼らの子供たちへ、DNAを伝えるのは無理かも知れない。高齢化と引き継ぐ人が急減する10年、15年先には、音を立てて地域社会が崩れる危険性がある。息が詰まるような都会に見切りをつけ、地方へ移住する若者が増えていると聞く。未だに過去の成功体験へしがみついて成長戦略を追い求める「官邸」より、若い彼らが輝いて見える。

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