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楽農楽写Z

西中国山地の風景だけを撮影する団塊男が定年後、広島県安芸太田町に休耕田付きの民家を借りて、田舎暮らしを楽しんでいます。豊かな自然を紹介しながら、地域の情報を発信します。       

大石芳野さんの講演 「土に生きる」

 フォトジャーナリスト・大石芳野さんの講演を聞く機会に恵まれた。いつも写真のプリントでお世話になっている宗岡さんが、「原爆の日」の取材で来られる大石さんにお願いして実現した。定員20人の贅沢な企画、宗岡さんの事務所はいっぱいになった。写真集「福島 FUKUSHIMA 土と生きる」を中心に据え、ヒロシマとフクシマ、核と人間について、淡々と語られた。口先だけの政治家と違って、現場を見つめた人にしかない、民衆に寄り添う芯の強さを感じた。

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聴衆は写真愛好家ばかり。ネイチャー写真を撮る人が多く、大石さんの写真とはジャンルが違うが、それだけに有意義だったと思う

9587大石さん14871 
「私は戦場カメラマンではありません。戦禍の中で傷ついた女性や子供を伝えたかった」。世界の紛争地を飛び回った人とは思えない

                       ◇
 
 土門拳さんのヒロシマの写真を見て、私の撮れる写真はないと思った。外国へ出かけたが、足元がおろそかになっていると感じ、ヒロシマが気になっていた。84年に被爆者に会って勇気をもらい、毎年のように広島へ来ている。ヒロシマとフクシマは同じ核の被害者。チェルノブイリの悲惨さは分かっていたのに、原発の爆発の煙を見てもピンと来なかった。安全神話に犯されて、真実を追求しようとしなかったのが情けなかった。

 東京電力の電気を使うのは辛い。それが福島へ通う理由であり、ヒロシマも理由になった。この二つがつながって、撮らなければならないと思うきっかけになった。写真集の題名を「土と生きる」にしたのは、土は人間の原点だと思ったからだ。補償をもらっても中年以上には仕事がなく、酒やパチンコをするしかない人がいるのも現実だ。悪口を言う人もいる。生業を奪われたら、金をもらっても生きてはいけない。私からカメラを奪うのと同じだ。

 汚染されていないのに風評被害があり、汚染を忘れたいという気持ちの人もいる。多くの問題を抱え、放射能の沼でアップアップしているかのようだ。自分の問題として考えれば、つながっていける。私は政治的立場で見られる。政治にした方がいい勢力がいるが、政治で片付けてはいけない。政治色で見られるのはいやだ。人間の立場で考えるべきだ。

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コメント


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こんにちは。
私は福島県在住ですが どんな形であれ福島の事を応援して下さるお気持ちに感謝です。
自分が福島に住んでいると 県民全てが補償金を頂いて 酒 パチンコの生活と思われてるような気がします。(報道とかを見ていて)
補償金を頂いてるのは 浜通りの一部の地域です。
南相馬市に住んでいる私も今は頂いておりません。
(震災直後は国 県 赤十字から義援金を少し頂きましたが)
私の街にも 双葉 大熊 浪江 富岡等から避難してる方が沢山いらしゃいます。
確かに何もしないでボンヤリ避難生活を送ってる方も見かけます。

私は幸いにも自宅に住み 震災前と何も変わってませんが
3年5か月過ぎた今 人間の心はお金じゃ解決出来ないな…という現実を
沢山見て来ました お金は一つの道具にしか過ぎないんですよね。
もちろん 地元に住んでいない政治家の方が突然いらして 何か立派な事を話されても???です。
(ブログの話題に取り上げて頂いてありがとうございました)

ヒデ | URL | 2014-08-10(Sun)09:59 [編集]


大石さん

ヒデ 様
こんにちは。
大石さんは、世界に通じる第1級のカメラマンですが、ぎらぎらするような方ではありません。写真には彼女の人柄がにじみ出ているように感じます。フクシマがライフワークになるのでしょう。あとに続く、硬派の若いフォトジャーナリストが育って欲しいと思います。
大石さんは、「最後は金目でしょ」と言って、政治で片付けようとする人とは対極の人です。3000億円の交付金がそれだったのでしょうか。国から説明を聞く知事や町長の表情と、そのニュースを聞いた被災者の表情が違っていたように思います。そして当事者以外の中には「フクシマの物貰い」と言う、無責任な人がいるのも現実でしょう。ミナマタ、ヒロシマ・ナガサキ、肝炎患者など、理不尽にも苦しみの中へ突き落された人たちへの視線が、必ずしも優しくはないのも事実です。大石さんの言われる「人間の立場」の意味が重く問いかけます。

楽農楽写 | URL | 2014-08-10(Sun)18:26 [編集]