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楽農楽写Z

西中国山地の風景だけを撮影する団塊男が定年後、広島県安芸太田町に休耕田付きの民家を借りて、田舎暮らしを楽しんでいます。豊かな自然を紹介しながら、地域の情報を発信します。       

一言ふたこと/春闘

  「春闘の役目は終わった」と言われたのは何年前だろうか。この間、労働組合は邪魔者のようにあしらわれ、日本の働く現場は悲惨なほどになった。社会主義国でもあるまいし、首相に賃上げをお願いされて、交渉に入る労使の姿を見ると情けなくなる。20年前、労使交渉をした経験からすると、マスコミを含めて、政治家や学者、エコノミスト、コメンテーターの手の平を返したような「賃上げ応援」発言が、いかに甘っちょろいか、ため息が出る。 (写真はNHK-TV)

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 物価上昇率や各種の経済指標、組合員の家計・労働実態調査、会社の経営数字、他社比較などありとあらゆるデータを織り込んで、要求を提出した。ストライキをうち、数次の回答を引き出しても結果は要求額に遠く及ばない水準で妥結することが常だった。賃金も制度も、ムードに乗って勝ち取れるような生易しいものではない。「組合は取ってばっかりじゃ」と、会社側の交渉委員がぼやいたこともあるが、双方に不満は残っても労使の責任での決着だった。

 新日鉄住金の要求額を見て驚いてしまう。消費税が3%上がり、日銀は2%のインフレをめざしているのに月3,500円、年42,000円とは、定期昇給分を含んでいないのだろうが何と心優しい要求だ。生活費が年400万円なら3%は12万円、5%は20万円に相当するのに。会社側は取られてばかりではない。退職者不補充、組織・業務見直し、査定の強化、非正規労働の拡大など、「総人件費の抑制」のカードを持っている。マスコミは賃上げをもてはやしてアベノミクスを盛り上げるだろうが、社会へ出回る金が増えるとは限らない。

 浮ついた賃上げムードの中で迷惑しているは、中小企業の経営者ではないかと思う。顔を合わせて仕事をしている社員の士気に影響するのは、手に取るように分かるのだから。非正規の労働者にとっては、まるでよその世界の出来事のように映っているのだろう。20数年前までは、多い少ないはあっても、皆が前へ進めていたし、人生設計も描けていた。「強いものをより強くすれば、果実がしたたり落ちて来る」、「津々浦々に行き渡る」とは幻想でしかない。

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2月7日付中国新聞経済面。左は2年連続で賃上げをする広島市信用組合の理事長インタビュー。私たちが団交で会社側へ訴えていた内容と似ているが、経営者の覚悟が感じられる。それにしても「2年連続」がニュースになるとは。右のソニーは業務見直しで5000人を削減

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